「よくあるケガこそしっかり治す!足首捻挫の対処法」

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スポーツをしていた方ならよく耳にする「捻挫」、普段の生活でも何もないとろこで足をひねったりする方もいるのではないでしょうか?スポーツをしている方に限らず、よくあるケガだからこそ、しっかり対処できるといいですね。スポーツをしているお子さんがいる方こそ、正しい対処方法を身につけて、家族みんなで楽しいスポーツライフを送りましょう!

1.捻挫はどうやって起きるの?

そもそも、”捻挫”ってどのようなケガでしょうか?

 日本整形外科学会によると「関節に力が加わっておこるケガのうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりX線(レントゲン)で異常がない関節のケガ」(日本整形外科学会HPより)だそうです。

 ということは、関節の周りにある軟部組織(関節包、靭帯、半月板、関節唇など)に何らかの外傷が加わっていますので、どこの組織が損傷しているのかが重要だと考えられます。

 関節を安定させるには、静的に安定性を保つための靭帯、関節包と動的な安定性を保つための神経~筋肉の働きがとても重要です。

捻挫をするとこの片方または両方の機能が低下しやすくなります。

1−1.足首捻挫で損傷する組織

 それでは、スポーツ現場でよく耳にする「足首の捻挫」ってどの組織が損傷することが多いのでしょうか?

足首の周りには図のようにたくさんの骨とそれを支える靭帯、関節包そして筋肉が付着しています。

ligaments-ankleligaments-anckle2

引用:林典雄 機能解剖学的触診技術 Medical view p97,101

”捻挫”で損傷してしまった軟部組織がどれになるのか、によって治癒期間が変わってきます。それぞれの治癒期間は後ほど紹介します。

ほとんどの場合は靭帯が損傷していることが多く、骨折を伴っていることもありますので見極めが必要です。

関節を守っている足首の外側にある外側側副靭帯(前距腓靭帯、後距腓靭帯、踵腓靭帯)を損傷していることがほとんどで、その損傷の程度によって大まかに重症度が分けられます。

報告によると、前距腓靭帯のみの損傷は41.9%、前距腓靭帯と踵腓靭帯のが同時に損傷は58.1%とあり、全例で前距腓靭帯の損傷が見られたとあるほど特徴的です。これには足首の動きやすさにも関係しています。

足首の動きは大きく次の4つに分けることができます(細かく分けるともう少しありますが割愛)。

  • 底屈;足首を伸ばすこと
  • 背屈:つま先を上に上げること
  • 内反:内側に足首を動かすこと
  • 外反:外側に足首を動かすこと

ご自身で動かしてみると実感できますが、背屈すると内外反の動きは小さくなり、底屈すると内外反の動きは大きくなります。ということは足首が不安定になるのは底屈・内反の時になり、足首の捻挫のほとんどは足首の外側を痛めることが多くなります。

1−2.組織の違いで治癒期間が違う

捻挫した場合、まずは骨折しているかどうかを見極めることが必要です。アスリートの現場では”バッファロールール”というものがあり、骨折しているかどうかを見極めるテストがあります。

この5つのテストで一つでも当てはまると骨折の可能性があるので、すぐに病院を受診しましょう!

b0112009_14344897(引用:トレーニングジャーナル March 2012)

  •  外側のくるぶしの後下側6センチ を押すと痛い
  • 内側のくるぶしの後下側6センチ を押すと痛い
  • 第5中足骨粗面 を押すと痛い
  • 舟状骨 を押すと痛い
  • ケガをした直後にその足に体重をかけることができない・歩けない(4歩以上)

これで骨折はしていないと判断ができたら多くの場合は靭帯に過度な負荷がかかっていると予想されます!

骨折している場合と靭帯の場合では次の表のように治癒にかかる時間が異なっています。ぜひ参考にしてください。

☆靭帯と骨折での治癒期間の違い☆

腓骨(足関節内)骨折 6〜8週
中足骨骨折 3〜6週
靭帯(1度) 5日〜2週間
靭帯(Ⅱ度) 2週間〜1ヶ月
靭帯(Ⅲ度) 2ヶ月〜数ヶ月

2.捻挫はなぜ繰り返すのか

 「捻挫はしっかり治さないとクセになる」と聞いたことはありませんか?なぜクセになるのでしょうか?

 捻挫は関節が耐えられる範囲以上に無理やり動かされた時に発生します。クセになるということは、捻る回数が増えること、関節が耐えられる範囲が狭くなることの2つが考えられます。

 ということは、関節を守る組織(靭帯や関節包、筋肉など)が強くなることと足首をひねる動作が起きないようにする治療・トレーニングを行っていくことが大切と言えるのではないでしょうか?

2−1.関節の位置はどうやってわかっているのか??

みなさんは目をつぶって手を挙げた時、どれくらい挙がっているのか、どの方向に動いているのかわかりますか?ほとんどの方は間違いなくわかるのではないでしょうか。

このような感覚を深部感覚(運動覚/位置覚)と言って、筋肉や腱、関節包、靭帯に存在してる受容器で感知し無意識のうちに脳で認知しています。

この感覚が低下していくと、歩いている時、走っている時に足をつく角度がわからなくなって、ひねる動作が多くなっていくと考えられます。これは無意識で上がってくる感覚なので、頭で考えずに動けるようにしていくトレーニングが必要です。

2−2.捻挫のあとはどう対処したらいいの?

捻挫の後の対処で一般的な方法(RICE処置)

Rest(安静)

Ice(冷却)

Compression(圧迫)

Elevation(挙上)

具体的には足首を動かさずに氷などで冷やしながら圧迫しつつ、心臓より高いように足を挙げて起きます。この目的は損傷した部位からの出血を抑えることで、炎症や腫れを減らすことです。冷やすことで痛みを軽減する、血管やリンパ管が収縮し組織の循環・代謝を抑制します。

冷やす方法は氷嚢を使って、15〜20分を目安に冷やした後、1時間程度の感覚を開けて繰り返していきます。

ここで一つ考えてみましょう。全ての場合でRICE処置を行う必要があるのでしょうか?

”冷やす”ということは組織の代謝循環を抑制します。代謝循環が抑制されるということは損傷している組織が治癒するのに必要な栄養・酸素が不足しやすいと考えることもできます。

また、固定・圧迫することは不動の時期を作ってしまいますので、組織同士の癒着が起こりやすくなります。必要以上のRICE処置は復帰を遅らせてしまうことに繋がる可能性もあり、いつでもなんでもRICE処置を実施することには注意と言えるかもしれません。

3.捻挫からの復帰トレーニング

足首の安定性を保つためには、靭帯・関節包の静的組織が強化されることと動的安定性を保つための筋力の向上が必要です。

しっかりとトレーニングして復帰するためには足首周りの筋力向上だけでは不足します。繰り返し捻挫をするヒトの特徴としては痛みがなくなったからすぐプレーに戻ることが大きな原因と考えられます。

筋力としっかり動けるための神経との協調性、プレーに対する各組織の強さを引き出して行くことが大切です。 

 3−1.足首周りの安定性をUPしよう

 痛みを感じない範囲でできるだけ大きく動かしていきましょう! 

 無理なく動かして行くには次の段階を踏まえて行って行くのが安全です。

 ①自分で動かす

 ②ゴムチューブを使用する

 ③体重をかけながら動かす

 ④不安定な状態で体重をかけて行く

引用:捻挫からの完全復帰に向けて(Cramer Japan ATHLETIC SOLUTIONS)

 3−2.フィードフォワードを向上しよう

足首の神経–筋の協調的なトレーニングの代表的なものはバランスディスクを使用したものがありますがそれだけでは不十分です。

運動には外部からの刺激を感じた後に反応を変える(フィードバック機構)とあらかじめ予測して反応を起こす(フィードフォワード機構)の2通りがあります。

実際のスポーツ動作ではフィードフォワードでの運動が起きますので、競技復帰の前にはしっかりと予測的な運動ができているのかトレーニングすることが大切です。

4.まとめ

いかがですか?今回はよく経験する足首の捻挫についてご紹介しました。

よくあるケガ「捻挫」ですが、まずは靭帯の損傷なのか、骨折ではないのかを見極めることが大切です。

当然のことながら捻挫の程度によって、競技までの復帰時期は変わってきます。

捻挫を繰り返さないようにするには、痛みだけを基準にして競技に復帰するのでは不十分です。筋力による足首周りの安定性を向上させることが第一ですが、着地するときの足の位置がどうなっているのか、無意識での身体の使い方をトレーニングすることも考えましょう。

また、一般的な対処方法であるRICE処置も足関節の状態によっては治癒を遅くする可能性もあります。医療関係者と連携しながらしっかり治して、家族みんなで楽しいスポーツライフを送ってください!

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