ランナー膝の治し方2つの重要ポイント~一般向け編~

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近年、健康目的などからマラソンやランニング、ロードバイクなど運動愛好家が増えています。
 一方で、トレーニング中に外傷や障害を患う方も増加しています。中でも長距離を走っている方で頻度の高いといわれるランナー膝。

一度ランナー膝になると、休んではよくなり、またトレーニングをしては痛くなるというサイクルを繰り返し、困っているという方がよくみられます。

なぜ、『ランナー膝』は治りにくく、症状がぶり返しやすいのでしょうか??
その理由として、
①繰り返しおこる、小さい外力の刺激(今回であれば繰り返されるランニング動作)が長期的に加わってひきおこす病態
②トレーニング量の急激な増加(量・質ともに)などによるいわゆるオーバーワーク
③体のもっている抵抗力(たえられる力)とトレーニングの不均衡
④同じ環境での繰り返される同一ストレス(トラックで常に同じ周る方向や道路で走る斜度が同じ)

上記が考えられます。

医師の診察を受けて、
『痛みがひいてから徐々に練習を再開してください』
みなさん一度は言われた経験があるのではないでしょうか??
これを少し紐解いてみると

医師側の気持ち・見解
『しっかり状態をみながら、少しずつ負荷量を増やして練習を再開してくださいね』

患者・クライアント側の気持ち・見解
『んー。まあ、痛みがひけば練習やっていいんだな。どのくらいやっていいか細かいことはわからないけど先生が大丈夫っていってるからやってみるか』

だいぶ相違がある可能性もあります。
ぶり返さないコツ/考え方として重要なことは、そのときの
体の状態や
時期にあわせ適切なトレーニング量/負荷を設定
それに体が耐えられているか、回復過程に向かっているのか判断をしながら進めていくことがとても重要となってきます。

せっかく、健康のためにはじめた運動がかえって痛みを引き起こし、仕事や日常生活に支障をきたしてしまっては本末転倒です。

そこで今回は、
ランナー膝に対するリハビリの内容はもちろん、進め方について要点を絞り、お伝えしていきます。

1.ここ注目!ランナー膝に対する2つのリハビリポイント

1-1 簡単にわかる!トレーニングのセルフコントロールの見極め方

簡潔に何に気をつけるか!

最重要事項は『痛み』と『炎症』です。
炎症の項目のひとつに『痛み』があるのですが、強調するためにこの二つをあげます。
炎症は
①痛み
②腫れ(腫脹)
③赤くなる(発赤)
④熱を持つ(熱感)
⑤うまく力がはいらない/動かせない(機能障害)

といった症状がみられます。
この症状がみられる中で行うトレーニングはランニング、筋力トレーニング、スポーツ動作いずれであってもはっきりいって効果は得られません。
むしろ痛み刺激から力をうまくいれることができず、運動がうまくいかないといった逆効果となります。
上記がわかれば対応は簡単です。
炎症が強ければ、思い切って安静をとることも必要です。
ただし、ある程度炎症が落ち着いたのに、まったく動かさないというと、不動いわゆるアンダーユースの状態であれば怪我をしている部分の循環は悪くなり、よくなるものも治りません。
ということは
痛みのない状態で行える負荷量の少ない運動を選択し、循環を改善させていけばよいのです。

1-2 ランナーのトレーニングには超回復が効果的!負荷量と強度の関係を知る!

ランナー膝はなかなかなおりにくいといわれている所以がここにあります。
このトレーニングの負荷量と強度、休息のコントロールが難しいためにトレーニングしては痛くなり、また休むといったサイクルを繰り返しやすいのです。

そこで重要となることが、『適度な運動』『適度な休息』『適度な栄養』を与え、超回復を促すことができるかどうかです。
超回復とは、運動で消費された筋肉のグリコーゲン量が、休息と炭水化物補給によって運動前の貯蔵量を大幅に超えて回復を示すことです。
図.1のような流れに持っていくことができるかどうかがKEYとなってきます。

図.1

 

 


ここが、負荷量が高い運動/トレーニングであったり、体が休息しきれていないうちに続けていくと図.2のようにかえって逆効果となり、再発を繰り返しやすい状態となります。

 

図.2

 


そのため、ここの設定に関しては専門知識を持ち合わせている医療従事者やトレーナーなどの介入が必要となってきます。それでも自己管理できることはたくさんあります。
たとえば、マシーンやゴムチューブを使用した筋力トレーニングで痛みが出るのであれば、
マシーンの重りを軽くする。
ゴムチューブの強度を低く(または長さを変える)
それでも負荷量が多ければ、自重(いわゆる自分の体重)でも十分適度な負荷量を与えることができます。

2.簡単に理解できる!ランナー膝のリハビリ簡単豆知識!!

2-1組織損傷の治癒期間

冒頭でも記載しましたが、ランナー膝は
①大きな外力が加わって組織が損傷される打撲や骨折などと違い、明確な治癒期間を提示しにくい
②繰り返し小さい外力の刺激が長期的に加わっておこる・急なトレーニング量の増加により起こるなど受傷機転が様々
③慢性的に繰り返している
上記より治癒期間は明確に述べにくいため、組織ごとの正常の治癒期間からランナー膝の治癒期間を考えていきます。

筋肉の正常治癒期間は、下の図.3となります。

図.3

 

靭帯の正常治癒期間であれば治癒期間は
 グレードⅠ(20%断裂) 5~14日
 グレードⅡ(20~75%断裂)…14~30日
グレードⅢ(75%~完全断裂)…数ヶ月 となっています。
ランナー膝に関しては、基本的にはグレードⅠ~Ⅱが基本です。

 

 

図.4

 

そのほかにも組織(筋膜、脂肪体など)はありますが、上記治癒期間を考慮しながら痛みの経過がどうなっているのか。順調に回復傾向なのか、再燃・寛解を繰り返してるのか、悪化傾向なのかをとらえていくことが重要となります。

 

2-2ぱっとみてわかるランナー膝の解剖

概念:

腸脛靭帯とは大腿四頭筋の外側に位置し、大腿筋膜張筋と大殿筋の付着部から脛骨前面に停止する筋膜様組織です。
ランニングなど繰り返しの膝運動で、腸脛靭帯と大腿骨外側上顆(隆起している部分)との間で摩擦が生じ限局性の炎症がおこり、痛みを生じる病態をランナー膝といいます。
図.5青部分が大腿筋膜張筋、腸脛靭帯です。

 

図.5

症状:

歩いている時やランニング時に地面に足が接地し体重がかかるときに出現する膝外側面の痛みが主な症状です。
ランニングを続けていると、痛みのために走れなくなることもあります。安静で軽快しますが、ランニングを再開すると症状が再発することも多いといわれています。

3.ランナー膝に対するリハビリ・運動方法 ~実践編~

3-1筋トレ

膝痛を防ぐために筋力トレーニングは非常に有効です。筋力が弱いとランニング時に膝関節にかかる負担が大きくなります。特に太ももやお尻周り、体幹部の筋肉が弱いと膝を上手く支えることができません。
太ももやお尻周り、体幹部を鍛えるトレーニングを取り入れましょう。
筋トレとはいっても激しいトレーニングは必要ありません。ましてランニングは筋持久力が必要で、着地して、蹴りだしての連続動作のため、正しい方法で多くの回数を行うことが重要です。
また筋トレのみではなく、ランニングフォームや運動のバランス、協調性も重要な要素となってきます。

・スクワット



 

・上半身と体幹部のトレーニング



 

・足踏みトレーニング

3-2シューズ

ランニングフォームと同じくらい重要なのが、ランニングシューズの選択です。皆様は最適なシューズを履いているでしょうか。

・クッション性能

ランニングは膝にかかる負担がとても大きいスポーツです。シューズの選び方はとても重要です。特にしっかり体重を支えられない人は本来であればしっかり筋力、バランスを整えてから開始したほうが良いことは上記で述べていますが、クッション性の高いシューズを選択したほうが再発が予防できる確立はあがっていきます。

・適正サイズ

ランニングをする上で、自分の足に合っていないランニングシューズを履くことは、足の指や膝を痛める原因にもなります。
サイズの基準は、シューズを履いたとき、踵に指一本分入る程度で少し大きめのものを選ぶと良いといわれています。その理由としてはつま先に過度の繰り返される刺激を与えないためです。つま先はとても脆く、痛めやすい箇所です。ひとつの場所に痛みが出ると、上記で述べたように、力がうまく入らない→運動パターンが崩れる→痛み、炎症をひきおこすといった流れに入りやすくなってしまいます。
そのため適正なシューズ、サイズの選択が必要となってきます。

かかとの部分(ヒールカップ)が柔らかすぎると着地のときにぶれやすくなります。そのため、かかと部分が比較的しっかりしているシューズを選ぶほうが良いとされています。
シューズが正しく曲がるかどうか。着地して蹴りに行く一連の動作で重心移動がスムーズに行われるためには、足と同じようにシューズも動いてくれないといけないです。そのため、シューズは必ず足の指つけね(MP関節)の部分で曲がらなければいけません。必ず両足とも履いて、長さ、幅、踵、アライメントなどをチェックし選ぶことが重要となってきます。
参考・引用文献:Sportsmedicine 2006 NO.82 著者 三宅秀敏

3-3そもそもランニングを本当に行える環境が整っているか?

ランニングは手軽に行えるため、選択しやすいですが、本当に誰にでも適している運動でしょうか??
もちろん条件が整っていればとても良いトレーニングのひとつだと思います。
では、考えてみましょう。
一般的にランニング時の歩幅は身長の70~80%といわれているのでこの条件であてはめていきます。
身長170cmの男性とし、
170cm×0.7=119cm(一歩)
5kmランニングした場合の歩数
5000m÷1.19m=4201歩数 
片足での着地・けりだしは半分の約2100歩となります。
トレーニングに取り入れやすいランニングを5kmを実施すると、片足で2100回着地、けりだしを繰り返す状態で、そのたびにうまく体を支持できない状態で続けていれば繰り返しなかなか治らないことは想像がつくと思います。
そのため、筋トレやストレッチなどの運動だけでも足りないですし、体重のかけかた、姿勢(フォーム)や走る環境(同一コーナー)、シューズ、その方の性格(まじめ、几帳面、楽観的、悲観的など)などさまざまなところでどこの比重が大きいのかまで捉えなくては根本的な解決にはなりえません。

★ランニング開始にあたる簡単なチェックポイント★

・片足立ちがふらふらせずにしっかり最低10秒は立っていられる
・10cm段差から降りて片足で着地をふらふらせず、かつ痛みなくできる

★ランニングの負荷量をあげていく簡単なチェック方法★

・導入として10分間行ってみる

①痛みある場合
痛みが出た時点で一度やめる。また痛みのないレベルでのトレーニング/運動へ進める。

②痛みがない(翌日、翌々日でも炎症反応もなし)場合
1週間程度続けて問題なければ時間を増やす。そこから時間を少しずつ延長し、また炎症反応の有無をみながら徐々に運動量の負荷をあげていく。また問題が生じればレベルをひとつ下げ、痛みの少ないトレーニングを選択し、準備期間をみながら再度レベルを上げたトレーニングを再選択していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.まとめ

・ランナー膝をくりかえさないためには、痛み、炎症(腫れ・赤くなる・熱を持つ・力の入れにくさ)に注意しながらトレーニングをすすめる必要がある

・ストレッチ、筋トレのみではなく、どのようにトレーニング量/質をあげていくかが勝負

・そもそもランニングを開始できる体内環境が整っているかどうかが重要

・運動のみでは不十分で、道具や環境、しいては性格などの面からも考慮する必要がある。

 

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