女性必見!肩こり解消に必要な3つのセルフケア

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デスクワークの最中や家事終わりに肩がズーンと重い。

色々調べて、肩こりに効くマッサージやストレッチをやってはみたもののイマイチ効果が出ておらず、今もまだ酷い肩こりに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
できれば即効性のある方法を使って、その“コリ”を解消したいものです。しかし、残念ながらそんな魔法のようなストレッチやマッサージは一時的であり、”コリ”が再発してしまうことは多々あります。本当の意味で肩こりを解消するには根本的な問題解決が必要です。

そこで、今回は姿勢不良などの「身体へのストレス」だけでなく、疎かになりがちな「心のストレス」にまで焦点を当て、多角的な視点から見たより確実で効果的なコリ解消方法を紹介していきます。

ひどい肩こりに悩まされている画面の前のあなた。今日から自分自身の手で肩こり解消に向かってセルフマネジメントの第一歩を踏み出しましょう!

1.肩のコリを作ってしまう3つの原因

カラダのあちこちに生じる「コリ」
そんな中でも現代人を最も悩ませているのが「肩こり」です。厚生労働省が3〜4年に1度まとめている国民生活基礎調査(2013年度)のなかで性別にみた有訴者率の上位5症状によると、肩こりは男性では第2位であり、女性では第1位であると報告されています。

そして、この結果はこれまでの調査結果と同じで、今もなお多くの方々が抱える悩みであることが伺えます。さて、そんなコリですが、どのような時にコリが出来るのでしょうか? 今回は3つの視点からコリが出来る原因について解説していきます。

原因① 姿勢の問題

 fig.1 bad posture/good posture

やはり、コリと言われると思いつくのが「姿勢」ではないでしょうか?
長時間のデスクワークや運転など、同じ姿勢を長時間続けていくと知らず知らずのうちに不良姿勢となってしまいます。不良姿勢とは、読んで字の如く「姿勢が悪い」ことです(fig.1)

医療現場では「head forward posture 頭部前方姿勢」と言われ、肩こりを訴える方の多くにこの不良姿勢が潜んでいます。ただし、大事なことは「姿勢が悪い=肩こり」ではありません。重要なのは、同じ姿勢を続けていると言うことなのです。同じ姿勢が続くことで、首、肩、肩甲骨、背骨周りが不動(動かない状態)になり、その結果こりが生じるのです。

コリの原因
「使いすぎなのか(overuse)?」「動かさないせいなのか(under lord)?」
コリとは、言わば筋肉が硬くなったことを指します。コリの発生メカニズムとして、長時間の同一姿勢に伴い筋肉の過緊張状態が続き、筋肉に低酸素状態が生じ、(筋肉の)局所の循環不良となります。この不良姿勢が一時的であれば筋内の毛細管も解放され血流は維持されるのですが、長時間となると毛細血管も締められ、筋内圧は上がり、本来の細胞間循環が滞ってしまいます。その状態が長期間/長時間続くと筋組織内の筋/筋膜が癒着しコリへと変化していきます。さらに筋内に発痛物質や痛みを増強させる物質が溜まり徐々にコリの悪循環へと陥ってしまいます。(fig.2)


Sportsmedicine 2017 NO.189 p44-47
オランダ徒手療法― 臨床で使える、多角的な視点で仮説を立てられる体系的考え方 

原因② 環境の問題

意外と気がつかないのが、環境の問題。
もっとも「環境」と言うのは、仕事でのデスクや椅子の高さ、PC画面の位置、電話の位置などのことです。さらには、同じ作業や動作(PCを操作する姿勢や電話をとる姿勢など)を繰り返す場合も、使いすぎによってコリへと変化してしまう原因になります。あなたの職場環境を振り返ってみて下さい。もしかしたら、落とし穴が潜んでいるかもしれません。

原因③ 心(ストレス)の問題

認めたくない方が多くいるかもしれませんが、現代社会にとってストレスはコリだけでなく、重症化すると命を脅かすほどの影響をきたします。しかし、「目に見えないストレス」がどのように身体に作用するのかは一般的にはまだ浸透してないようです。ただ、なんとなく「ストレス=身体/心に悪そう」という印象は誰しも持っていることでしょう。それでは、今からストレスがどうのようにコリに直結してくるのかを一緒に学んで行きましょう。

ストレスと自律神経

参照元(fig.3)
プロメテウス解剖学アトラス 第2版 坂井建雄 p92

ストレスと密接に関わってくるのが、自律神経です。自律神経は大別すると「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。自律神経は筋肉以外の臓器や血管といったヒトの各器官をコントロールしています。

2つのグループに分けられる自律神経ですが、基本的に「身体の調子を整えてくれる神経」で興奮すると交感神経が働き、リラックスすると副交感神経が働きます。では、このような場合はどの神経が働くでしょうか?

①会社で上司から次のプロジェクト成功のプレッシャーをかけられている
②上司や同僚、後輩との人間関係が上手くいっていない
③仕事が立て込んでいて残業続き
④生活リズムが乱れ睡眠不足

そうです。どれも同じく「交感神経」が働いてしまうシュチュエーションです。
①と②は精神的ストレス。
③と④は身体的ストレスが生じている状況です。
これらの状況は日常的に誰しも体験したことのある内容だと思います。

この時、身体では血圧が上昇し、脈拍数も増えることで胸がドキドキしたり、汗が出てきたりし、興奮状態になっています。さらに、自律神経はカラダに栄養や酸素を送るパイプの役割をもつ「血管」を収縮したり、弛緩させるなどの調整も行なっているのですが、交感神経が働いている場合は常に血管(特に手足や足先などの末梢の毛細血管)は締め付けられて血流が悪い状態になります。もし、このような状態が続いた場合を想像してみて下さい。

徐々に栄養や酸素が行かなくなった筋肉は、阻血状態となり、収縮効率が悪くなり、使い終わった老廃物や二酸化炭素は局所に貯留し、筋肉内(組織間もしくは組織内)でどんどん癒着が拡がっていきます。厳密にいうと筋膜と筋膜であったり、筋肉と筋肉、筋膜と皮膚と動作に伴いお互いが滑走し合わなければならない組織が癒着により筋肉の柔軟度が落ちていきます。このようにして精神的/肉体的ストレスによりカラダは「コリ」が出来る体内環境となってしまうのです。

引用元(fig.2)Sportsmedicine 2017 NO.189 p44-47
オランダ徒手療法― 臨床で使える、多角的な視点で仮説を立てられる体系的考え方 

では、これらの各原因に対してどのように対応していくことが望ましいのか。より実践的で効果的にコリを予防/解消する方法を次章でお伝えしていきます。

2.手段は一つではない!コリ解消法を最大限に生かす為にやるべき3つのチェック

みなさんが「肩こり解消」と聞くと、まず初めに思いつくのはどんな方法ですか?
最近では巷でブームの筋膜リリースなんて言葉もちらほら聞こえてきていますが、一般的には「マッサージ」や「肩甲骨はがし」「筋膜リリース」などどれも筋肉を対象とした方法ばかりです。勿論、肩こりですから、コリは肩周りの筋肉にあるのですが、今紹介した方法はどれも結果として出た症状に対して行う”対処療法”に過ぎません。しっかりと「解消!!」を目指すのであれば、しっかり肩こりの原因の根幹にメスを入れていく必要があります。これからは、みなさんがよく知っているマッサージやストレッチなどの対処方法がより効果的になるように。さらには、知っている方法を適切に取捨選択できるよう自身のカラダを一度チェックしてから、運動へと進んでいきましょう!!

2−1.座位姿勢のチェック

今、PC画面やスマホをみている手を止めて自身の姿勢を確認してみて下さい。
もしかしてこんな姿勢(fig.4)になっていませんか?もしくは、同僚や家族で同じ姿勢を見たことがありませんか?

fig.3

まずは、普段のワークライフや姿勢を見直していくことが解消への第一歩となります。お手本となる座った姿勢は以下の通りになります。デスクと椅子の調整はもちろんのこと、①しっかりと骨盤を起こすこと②目線が下がり過ぎず、上がり過ぎないよう環境設定を行いましょう(fig.4)!!

fig.5

2−2.肩甲骨&背骨の硬さチェック

肩こりの根本原因の一つと言っても過言ではないのが、姿勢の問題です。そして、その悪い姿勢の結果、二次的に生じるのが「ガチガチ肩甲骨」と表現される肩甲骨の動きの問題です。それでは、実際にご自身の肩甲骨の動きをチェックしてみましょう!!

CHECK① 肩甲骨の動き


● 壁に背をつけ、できる限り腕を万歳してみましょう。
もし、挙げた手が壁につかない方は要注意です。肩甲骨の動きの柔軟性低下が考えられます。もしかするとガチガチ肩甲骨へと足を踏み入れているかもしれません・・・(汗)

CHECK② 肩甲骨の動き


● 気をつけした状態から、真っ直ぐ身体の外に向かって手を挙げてみて下さい(手の甲が上を向いている状態)
Bad:肩甲骨以外の問題も抱えているかもしれません。一度、専門機関へご相談下さい
Poor:明らかに肩甲骨の柔軟性が低下しています。
Good:非常によく肩甲骨が動いていますね。このままの状態を維持するように努めましょう。

さて、いかがだったでしょうか?
両方のチェックに該当したあなた。もう既に肩こりに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
でも安心して下さい。第3章で紹介する対処法を実践し、しっかり動く肩甲骨を手に入れましょう!!

2−3.ストレスチェック

目に見えないストレスを可視化した画期的なチェックシートが、この「ライフイベントストレスチェック」です。以前、NHKの番組でも特集として組まれた「キラーストレス」でも紹介されている内容です。余談ですが、このシートはアメリカの心理学者トーマス・ホムルスとリチャード・ラーエが考案したストレスの評価方法を、大阪松蔭女子大学の名誉教授である夏目誠氏が、日本人を対象に改訂したものです(fig.6)

fig.5

具体的な内容は、1年間に身の回りで起きた「家族構成の変化」や「夫婦喧嘩をした」「左遷」などの出来事にチェックしていくと点数化され、客観的にストレスが可視化できるようなシートになっています。

<評価基準>
●260点以上→ストレスが多い要注意の段階
●300点以上→病気を引き起こす可能性がある段階

みなさんも是非一度チェックしてみて下さい。自分では予想だにしてなかった結果になる方が多いことでしょう。ここで、大事なことは自分では気づかない所でストレスが生じていることに「気づく」ということです。目に見えないからこそ、しっかり自身の状態を把握できるこのチェックシートは、悩めるあなたに大いに役立つことでしょう。

3.肩こり解消に効果的な4つのエクササイズ

さて、1〜2章までは肩こりの原因から、多角的なセルフチェック内容を紹介してきました。それでは、いよいよ実践へとステップアップしていきましょう!!
この章では、心と身体の両面に対するエクササイズを紹介します。今までは1つの方法では改善しなかった「肩こり」もしっかりと適材適所、組み合わせることで最大の効果を発揮してくれることでしょう。

3−2.運動編

ストレッチ

 

脊柱モビライゼーション 

しっかりと背もたれに胸椎と呼ばれる、背骨の突起に椅子の背当てを当てるようなイメージで実施して下さい。


さらに、お尻の位置を少し前方にズラし、同様の反る運動を行うことでより上位胸椎の動きが良くなっていきます。

3−2.ストレス解消編

Coping コーピング

コーピング とは、「問題に対処する、切り抜ける」という意味のcopeに由来するメンタルヘルス用語です。今回紹介するコーピングは数多くの研究で効果が科学的に立証されているストレス対処法の一つです。目的は、ストレスとうまく付き合っていくこと、自分を助ける為に「意図的」にストレスを分散するように働きかける(行動化する)ことです。

コーピングの為のスペシャルガイド

<①出来るだけたくさんの気晴らしをリストアップする!!>
とても重要なことは「質よりも量」ということです。ストレスを感じたとき、その場の状況に応じて実行可能なものを意識的に使っていく。

<②認知的コーピング> 
頭の中で考えたりイメージするコーピング
例)妄想を楽しむ・好きなものをイメージする・自分をねぎらう・考え方を変えてみる・あきらめるなど

<③行動的コーピング> 
具体的な行動を伴うコーピング
例)誰かと交流する・体を動かす・自然に触れる・趣味を楽しむ・だらだらするなど

自分がストレスを感じたとき、「これをすると気持ちが落ち着く」ことをできるだけ多くリストアップし、実際にストレスを感じたときに一つ選んで実際に実行してみる。そして効果があったかを自身でチェックし、点数をつけていく。また違う方法を行い、点数をつける。たったのこれだけです。「えっ!?本当にこれだけなの?」と疑う方もいらっしゃるかもしれませんが、事実心療内科などの臨床現場でも用いらている方法で、認知行動療法という治療法の一つです。


コーピングを実践する上で大事なことはしっかりその前後でストレスの点数がどう変化したかを見直すことです。ストレスに気づき、観察し理解する「セルフモニタリング」が重要となってきます。

たとえば、「コーヒーをのむ」というコーピングを行います。これを心配事で眠れないときにためすとむしろ眠気がなくなってしまい、低い点数だとします。ですが、大勢の前でのプレゼンテーション時などにおいては高い点数がつくかもしれません。そのときのストレスに対する組み合わせにより、変動するものもあります。ですので、一度試して失敗ではなく、自分にとっての一つの評価材料になれば良いのです。


ネガティブな事をぐるぐると考え続けてしまう自動思考を手放してストレスの悪循環から抜け出すには、物事の捉え方(認知)をかえるか、自分を癒したり楽しませたりする行動をとることが効果的なのです。

Mindfulness マインドフルネス

Woman hands yoga meditations and making a zen symbol with her hand.

マインドフルネスは、日本語では「気づき」を意味します。
一般的には、マインドフルネス・ストレス低減法(以下MBSR)というプログラムが有名で、最近では、ストレス対策として導入する企業も増えており、Googleの社員の間でもブームになったメンタルヘルス対策です。アメリカ心理学会もストレス対策の柱として推奨しており、ストレスへの効果は、最新の研究でも実証されています。(※NHKスペシャル取材班「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHK出版新書

以下に、アメリカのマサチューセッツ大学医学部が行なった研究実績の一部をご紹介します。

マインドフルネス・ストレス低減法を8週間行った人を調査した結果、プログラムを終えた被検者の体の不調がおよそ35%/心の不調およそ40%も軽減したことがわかったそうです。さらに、別の大学チームが4年後に追跡調査を行なったところ、MBSR受講後の被検者の幸福度などを示すデータが維持されていたと報告しています。

様々な機関で科学的に立証されたマインドフルネス・ストレス低減法。具体的にどのように実践するかお伝えしてきます。今からご紹介する内容は、マインドフルネス研究の第一人者である早稲田大学人間科学学術院の熊野宏昭教授が提唱する方法です。

①まず背筋を伸ばして、体を左右横にゆすりながら、
 体が真っ直ぐになる位置を見つけます。

②肩の力を抜いて、目を軽く閉じます。

③次に顔の力を抜いていきます。

④次に呼吸に注意を向けていくのですが、「呼吸の長さをコントロールし
 ない」というのが最大のポイント!
 息が入ってくると、お腹や胸がグッと膨らんでいく、
 息が出ていくと、お腹や胸がグッとへこんでいく、
 その感じを、ただただ感じ続けて、見守るような感じです。

⑤からだ全体に吸った息が行き渡るようなイメージで呼吸していきます。

⑥さらに、空気の動きや部屋の広さなど、周りの空間に注意を広げ、今の
 瞬間を見守っていきます。
 7.10分後、最後はまぶたの裏に注意を向けてそっと目を開いて終了

※注意※
うつ病などの治療を受けている人は、医師に相談してから開始してください。

4.まとめ

・肩こりの原因は大きく①姿勢の問題 ②環境の問題 ③心(ストレス)の問題である。
・各々原因に応じた対処が必要であるが、コリ解消法を最大限に生かす為にやるべき3つのチェックがあります。
・しっかりと自身の身体をチェックし、状態に応じた対応が出来るようになりましょう。

 

参考文献
・大谷 晃司  肩こりの疫学とQOLへの影響
・竹井  仁  肩こりに対する私のアプローチ法〜運動療法・理学療法の重要性〜」MB orthop29(9)
参考書籍
・NHKスペシャル取材班「キラーストレス 心と体をどう守るか」NHK出版新書
Sportsmedicine 2017 NO.189 p44-47
 「オランダ徒手療法― 臨床で使える、多角的な視点で仮説を立てられる体系的考え方 」

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